2014年07月26日

『Blueberry』日本では劇場公開中止! 曼荼羅CGでナチュラル・トリップするフレンチ・ウエスタン

 本作は、海外マーケットAFM(アメリカン・フィルム・マーケット)の試写で鑑賞。フランスの西部劇コミックを、監督ヤン・クーネン、主演ヴァンサン・カッセルの『ドーベルマン』コンビで映画化。観終わった瞬間に、これは日本では劇場公開されないだろう、と思ったら、実際そうなった。日本の配給は、ワイズポリシー。2004年に公開を予定していたが、陽の目を見ることはなかった。
 公開されないと感じた理由は…… 描写が過激すぎて、R−18でもおさまらん!ではなくて……

 弩ツマラないから! ぜんっぜん面白くねぇ〜!! 

 おかげで、その後に試写したダリオ・アルジェントの「デス・サイト」が、超傑作に見えてしまった。
 いや、観るべきところがまったくない分けではない。前半の、マカロニ・ウエスタンの再来かと思うほどの、ガンプレイやバイオレンス、憎ったらしくて強い悪役(マイケル・マドセン)の登場は、血沸き肉踊る展開。このままの雰囲気で最後まで進んで、主人公と殺し屋の対決をクライマックスにもってくれば、大傑作になっただろうと予感させる。でも予感だけで終わった(涙)

 中盤から、主人公の育ての親のインディアンと、その地下部落が出てくる。追っ手をかわし、そこへ逃げ込んだ主人公。殺し屋ももちろん、追ってくる。そこでインディアンは、二人に麻薬を飲ませる。ここから、トリップした彼らの脳の中の映像が、やっすいCGで延々くり広げられる。なんか、金色の歯車が集まってできたような竜みたいな怪物が、メビウスの輪のようにとぐろをまき続ける。そいつらが何匹も何匹も出てくる。昔、歯車がついた円がくりぬいてあって、くりぬいたところに小さな歯車をはめこんで、鉛筆の芯を小さいほうの歯車の穴に入れてぐるぐるやると、ウールマークのような模様が描ける定規がありました(わかっていただけるかな?)そんなかんじです(笑)。もう、かんべんしてください、と泣きたくなるほど、この曼荼羅CGが続く。

 そして、ウールマークの竜の群れからやっと解放されると、殺し屋が座ったまま死んでいる。インディアンいわく、殺し屋の精神が、トリップで観た世界に耐えられず、絶命したのだと。主人公は助かって、湖に入る夢をみると、ヒロインが水中で全裸でお迎えしていてエンド。なんじゃこりゃあぁぁぁぁ!!

 世界的にコケたみたいですね。そりゃそうだ。後半が完全に実験フィルムだもの。

それでも観たい方はどうぞ↓
posted by 足ランティー脳 at 00:50| 幻作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月01日

『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』 作品の塩漬けは関係を悪化させる!

 表題だけでは意味が分からないと思いますが、今回は、権利元と権利を買った者(被許諾者)の関係で「重要なことは何なのか」というお話です。

 映画の権利の売買は、一言で表すと、権利元に被許諾者がお金を払えば、被許諾者が映画を使ってお金を儲けていいよ、というものです。売買の形は、買い切りだったり、印税形式だったりしますが、対価を支払って権利を買い、それを使って商売ができるわけです。映画以外の商売でも、まあ似たようなもんですね。

 で、映画が他の商品と少し違うのは、権利元はお金をもらって終わり、ではなく、きちんと被許諾者が「映画の劇場公開やブルーレイなどの発売」をしてくれることを期待している点。例えば、あなたがお店でリンゴを買ったとします。それを食べずに腐らせたとしても、店から文句を言われることはありませんね。買ったDVDを封も切らずに何年も本棚に入れっぱなしにしていても、ネットショップからクレームが入ることはありません。

 ところが映画の場合は、お蔵入りや塩漬けに対して、権利元から文句を言われる場合があるんですな。権利元との契約書にも、「半年以内にリリース(劇場公開やソフトの発売ね)しない場合は、契約は自動的に解除」なんて厳しい条項がつくこともあるんです。

 理由は二つあります。ひとつは、リリースされることによって、権利元は追加の印税を期待できるから。大ヒット映画は、契約内容に従って、莫大な印税を追加で権利元に支払う場合もあります。(但し、契約の形態が印税式になっている場合ですが) もうひとつは、映画を多くの人に観て楽しんで欲しいという、作家的な理由。権利元が監督やプロデューサー本人の場合は、よくあるケースです。大体、どちらかの理由、あるいはその複合で、権利元は被許諾者に映画のリリースを義務付けています。これを無視すると、たちまち権利元との関係が悪化してしまいます。

 7月2日に『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』製作35周年特別版ブルーレイが発売になりますが、この作品、先の理由から、かつて権利元を激怒させたことがあります。その詳しいいきさつは、当ブログの過去記事で詳しく説明しています→こちら

 不景気や社会情勢の変化で、やむを得ず発売できない映画というのもあるでしょう。実際、宮崎勤事件のときは、ホラー映画で発売中止になったものや、契約をキャンセルしたものが多々ありました。ある映画で、劇場公開しなかったために、お互いに罵りあいのファックスが飛び交う現場も見ました(苦笑)。

 映画の権利者とうまく付き合うのは、意外に大変ということで。

★<オリジナル版>ブルーレイと、最新映像を加えて再編集した<最終版>、日本初リリース
 ↓
posted by 足ランティー脳 at 08:00| 映像業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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