アルジェントが凄いのは、1本前の「歓びの毒牙」でも、ガラスがぶつかるような音を嘴で出す鳥をキー・アイテムにしたり、後の「四匹の蝿」で、遺体の網膜の残像から死の直前に見たものを割り出す技術を扱うなど、当時の最新ネタをストーリー上の重要なアイディアとして盛り込んでいた点。
本作では、XYY遺伝子(犯罪傾向が強い遺伝子と言われていたが、現在は根拠なしという意見が大)を、殺人鬼の犯行要素として扱っている。
犯人らしき人物を強調しておいて、ラストで別の意外な真犯人を出したり、不気味な雰囲気たっぷりの殺しのシーン、そして殺人鬼の残虐な末路(エレベータのワイヤーで手が焼けただれつつ急転落下! 観ているこっちの手がムズムズ)は、後の「サスペリア2」につながる“アルジェント節”の片鱗が見られる。
こんな作品でも、きちんと吹き替えを作って2時間枠で放送されていた。80年代はホントにいい時代だったね。
1985年11月16日 深夜放送にて鑑賞
監督 ダリオ・アルジェント
ジェームズ・フランシスカス(曽我部和恭)/カール・マルデン(大木民夫)/カトリーヌ・スパーク(高島雅羅)、屋良有作、筈見純、玄田哲章、加藤正之、川浪葉子
カイル・クーパーよりずっとセンスがいい予告編↓