2011年12月01日

デジタル放送の罪

 去る7月から地上波デジタル化が行われ、それに伴って放送用素材はHDマスターとなりました。が、逆にいえばHDマスターの無い作品は原則放送されないことになってしまいました。
 メジャー・スタジオはライブラリ作品のHD化を進めていますが、独立系の映画会社の作品や昔のテレビ・シリーズ、TVムービーについては、HD化が進んでいません。理由は、HDマスターの制作に莫大な金がかかるから。
 映画1本あたり、米で12,000〜15,000ドル(100〜120万円)、ヨーロッパで12,000〜16,000ユーロ(130〜170万円)もかかります(ちなみに、これまでのSDマスターだと、その半分以下)。
 昔のテレビ・シリーズや、TVムービーはメジャー・スタジオですらあまりHD化を進めていません。もともと4:3で製作されているので、ワイドテレビでは左右に黒味が出ますから、視聴上のデメリットがあります。16ミリで撮影されていた作品も多く、その場合はSDとHDの差があまり出ないので、DVDで発売するか、HDにアップコンした素材で放送やブルーレイに対応してゆく傾向があります。
 さて、このような状況では、映画ファンにとって困った問題が起こってきます。それは、「独立系映画会社の昔の作品が放送されなくなる」ということです。かつてテレビの洋画劇場を賑わせた、隠れた傑作・名作に限って、独立系の作品だったりしますので、大変残念なことです。
 テレビ東京「午後のロードショー」ですら、放送作品はすべてHDマスターが前提になっています。かつて「午後ロー」の常連だった、以下のような隠れた傑作・佳作は、もう二度と放送されないかもしれません。

「殺しのリハーサル」
「フェラーリの鷹」
「御存知有名刑事ゾクゾク殺人事件」
「殺人のはらわた」
「殺しの免許証」
「イスタンブール大追跡」
「インターセプター」
「小さな目撃者」(マーク・レスター版)
「QBZ」
posted by 足ランティー脳 at 10:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
テレビもワイド画面になってそれに合わせる為か旧作テレビドラマまで4:3の天地切ってビスタにするとかも平然とやるんで唖然としてしまいますが、何でも感でもHDマスターではなく、HDはゴールデンとかプライムタイムの一部の番組や新規の番組だけでいいような気がします。

地デジ推進の時から「次の地デジ」とか言って触れて周っているスーパーハイビジョンなんかも、出てきたら今度はHDマスターなんて汚くて放送できない・・・とか言う事になりそうで寂しいですね、21世紀になって守るべきコンテンツの使い捨てが機材の進化で起こってる気がして残念です。
Posted by リバーズ at 2011年12月02日 03:52
>何でも感でもHDマスターではなく、
>HDはゴールデンとかプライムタイムの
>一部の番組や新規の番組だけでいいような気がします。

まさに仰るとおりです。
HDが無いからという理由だけで、放送されなくなる名作が多くなると、ますます映画離れ、吹き替え離れが進むでしょうね。

液晶テレビはピンが甘く、激しい動きでは残像が出る時点で、ブラウン管に負けています。せっかくのHD画像が、鈍い画質になっているというのが個人的実感です。
「スーパーハイビジョン」は噴飯ものですね。人間の視覚で処理できる情報は限られているのに…
Posted by 足ランティー脳 at 2011年12月14日 00:46
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