2011年12月26日

「土曜ワイド劇場」私的ベスト第1弾:図ぶとい奴・危険な賭け

 テレビ朝日「土曜ワイド劇場」といえば、前身の「土曜映画劇場」を終わらせた、映画ファンにとっては憎き存在。が、週末の9時枠ということで、結構エログロ路線や実験的推理ものが自由に制作され、なかには非常にクオリティの高いものもあった。そんな「土ワイ」群から、「私的ベスト」を取り上げてみる。今回もネタバレ全開。デジタル放送でHDマスターしか局が受付なくなった今となっては、再放送されないだろうから。
 私的ベスト第1弾は、西村京太郎の原作「優しい脅迫者」をドラマ化した上記タイトル。前科を持つ主人公の前に、謎の中年男が現れ、過去の犯罪を知っていると恐喝し、金をまきあげてゆく。逃げても逃げても執拗に追いかけてくる脅迫者。小さな町の理髪店主となって身を隠した主人公のもとに、また脅迫者が現れる。彼のひげを剃るカミソリに殺意が宿るが…というストーリー。
 普段はコミカルな役柄が多い坂上二郎が、本当に嫌らしい脅迫者を演じている。映画『漂流』などでもそうだが、坂上の演技力には圧倒される。主人公を演じる田村亮の、神経症的な演技もなかなか。当時はまだ土ワイが90分枠なので、正味70分ほど。テンポよくストーリーが進むのも良い。
 圧巻なのはラストで、主人公が脅迫者のひげを剃りながら、相手の言葉にカッとなって頚動脈を切る。そこに入ってきた客に向かって、脅迫者が「俺が動いたせいなんだ」と言って息絶える。主人公は業務上過失致死の容疑で逮捕されるが、脅迫者の最後の言葉が重視されて無罪となる。家に戻った主人公のもとに、脅迫者の手記が届いており、驚愕の事実が判明する。脅迫者は、家族に自分の生命保険金を受け取らせたかったのだが、自殺だと保険金が下りないため(現在とは異なり、当時は自殺では保険金はおりなかった)、主人公を追い詰めて自分を殺させようと計画したのだった。主人公が恐喝で奪われた金も、すべて返金されていた、という結末。
 主人公にとっては、大変迷惑な話だが、ドラマとしてはなかなか面白かった。特に、ラストのどんでん返しが、当時小学生だった自分には相当新鮮に映った。この作品は土ワイのなかでも名作だったらしく、10年ほど前まで、テレ朝の午後によく再放送されていた。

1978年2月18日 テレビ朝日「土曜ワイド劇場」にて鑑賞
監督 野村孝
坂上二郎/田村亮/鈴木ヒロミツ

懐かしのオープニングをどうぞ↓
posted by 足ランティー脳 at 10:00| Comment(2) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも楽しく拝見しております。

自分も子供の頃土ワイで見て印象残りました。番組タイトルがわからず、今までいましたが、内容を読んでこれだと分かりました。

どうも自分は剃刀で殺される人が藤田まことのイメージが強かったんですが、『わるいやつら』とだぶって記憶違いをしていました。
土ワイは予告編もシンプルで怖いのがありましたね。『戦後最大の誘拐芳展ちゃん事件』とか・・・シンプル過ぎるナレーション(タイトルを言うだけだったような)が怖かったのかも知れませんがドラマは子供ながらに見て良かったと思います。
Posted by すけきよ at 2011年12月26日 17:05
すけきよ様、コメントありがとうございます。

本作の何週か後に、藤田まことが主演の作品が放送されたかと思います。最後の予告に藤田まことが出ていて、勘違いされたのかもしれませんね。

>『戦後最大の誘拐芳展ちゃん事件』
これは確かに怖かったです。泉谷しげるがうますぎて、気持ち悪くなって寝ちゃった記憶があります。なので途中までしか観ていません(笑)
Posted by 足ランティー脳 at 2011年12月27日 06:29
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