2011年12月27日

「土曜ワイド劇場」私的ベスト第2弾:猫が運んだ新聞

 土ワイの特徴に、あまり有名でない海外ミステリをドラマ化するというものがあった。なんと本作は、「探偵レプスキー」シリーズで有名なハードボイルド小説の大家、ジェームズ・ハドリー・チェイスの原作。
 猫を飼う謎の老人から主人公がもらったのは、二日後の新聞。知り合いが殺される記事を見つけた主人公は、犯罪を未然に防ぐために奔走するが、動けば動くほど自分が追い詰められてゆく。そして、猫が運んできたさらに二日後の新聞に、主人公は自分の死亡記事を見つけてしまうが…というストーリー。
 ちょっとSFチックな設定に、ヒッチコック・タッチの巻き込まれ型サスペンスをうまくからめた一本。事件を防ごうと主人公が行動すると、どんどん自分に不利に転がって、警察やヤクザに追われるようになる超泥沼的展開がサスペンスをメチャクチャ盛り上げる。
 クライマックス直前、主人公が通りすがりの巡査に助けを求めた瞬間、ヤクザの撃った流れ弾が巡査の額に命中し、目撃者が主人公が撃ったと勘違いする場面は、タイミングが秀逸。ようやく解決のきざしが見えた事件が、巡査の死によって一挙にリセットされる展開が素晴らしい。
 ラストは、事件の黒幕と一騎打ちになり、自分ではなく相手が死ぬ。その場に居合わせていた、主人公に不利な証言をしていた女性も、落ちてきた目覚まし時計が頭に当たって主人公に関する記憶だけ無くす(笑)。翌日、最後の新聞を猫が運んで来ると、主人公の死亡記事は、別の人間の誤報だったというオチがつく。
 ぎりぎりまで主人公を追い詰めて、最後の最後で一瞬で解決する手法が、ヒッチコック映画の構成にそっくり。日本のドラマも、やればできるじゃないか、と感心した記憶がある。本作も、ときどき再放送されていた。

1979年1月13日 テレビ朝日「土曜ワイド劇場」にて鑑賞
監督 出目昌伸
加藤剛/水沢アキ/若山富三郎/川谷拓三/山本麟一
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ナ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。