2012年01月08日

女王陛下の007

 ショーン・コネリーの降板により、モデル出身のG・レーゼンビーが新ボンドに抜擢。だがスタッフとのトラブルなどにより、これ1本で終わってしまった。本作以前のシリーズと比べて興行成績もぱっとせず、シリーズでもいわくつきの作品。
 マイナス要素が結果に出てしまっているが、作品の完成度は高い。おそらく、シリーズ中で最も原作に忠実な作品でもある。P・ハントによる切れ味の鋭いアクション・シーンの数々は、映画史に残るハイレベルなものばかり。特に、クライマックスでのボブスレー上の格闘は、かなり危険で、よく死人が出なかったと思うほど。
 自ら陣頭指揮を取るブロフェルドや、ボンドを積極的に助ける“脱・お人形さん”的ボンド・ガールなど、大衆娯楽化しすぎたシリーズを、本来のスパイ・アクションに軌道修正しようと新しい試みが、ふんだんに盛り込まれている。
 が、ラストに新妻を亡くしたボンドの涙で終わるのは、原作通りとはいえ、007映画のファンにとっては当時はかなりショッキングだったと思う。007を観終わって暗い気持ちにはなりたくない、という心理はよく分かるし、それが当時ヒットしなかった原因のひとつでもあっただろう。しかし、ラスト・シーンさえ心の準備をしておけば、シリーズ屈指の傑作を存分に楽しむことは可能。
 吹き替えでは、広川ボンドが初登場。演技力がいまひとつのレーゼンビーを補って余りある声の名演。ダミ声のD・リグも田島令子の美声に、野太い粗野な声のT・サバラスも森山周一郎の冷徹な渋い声に変わり、作品の質まで大変化。これだから吹き替えは止められない。

監督 ピーター・ハント
ジョージ・レーゼンビー(広川太一郎)/ダイアナ・リグ(田島令子)/テリー・サヴァラス(森山周一郎)/ガブリエル・フェルゼッティ(木村幌)/イルゼ・ステパット(沼波輝枝)/バーナード・リー(今西正男)/ロイス・マクスウェル(花形恵子)/デズモンド・リューウェリン(田中康郎)

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posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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