2014年07月01日

『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』 作品の塩漬けは関係を悪化させる!

 表題だけでは意味が分からないと思いますが、今回は、権利元と権利を買った者(被許諾者)の関係で「重要なことは何なのか」というお話です。

 映画の権利の売買は、一言で表すと、権利元に被許諾者がお金を払えば、被許諾者が映画を使ってお金を儲けていいよ、というものです。売買の形は、買い切りだったり、印税形式だったりしますが、対価を支払って権利を買い、それを使って商売ができるわけです。映画以外の商売でも、まあ似たようなもんですね。

 で、映画が他の商品と少し違うのは、権利元はお金をもらって終わり、ではなく、きちんと被許諾者が「映画の劇場公開やブルーレイなどの発売」をしてくれることを期待している点。例えば、あなたがお店でリンゴを買ったとします。それを食べずに腐らせたとしても、店から文句を言われることはありませんね。買ったDVDを封も切らずに何年も本棚に入れっぱなしにしていても、ネットショップからクレームが入ることはありません。

 ところが映画の場合は、お蔵入りや塩漬けに対して、権利元から文句を言われる場合があるんですな。権利元との契約書にも、「半年以内にリリース(劇場公開やソフトの発売ね)しない場合は、契約は自動的に解除」なんて厳しい条項がつくこともあるんです。

 理由は二つあります。ひとつは、リリースされることによって、権利元は追加の印税を期待できるから。大ヒット映画は、契約内容に従って、莫大な印税を追加で権利元に支払う場合もあります。(但し、契約の形態が印税式になっている場合ですが) もうひとつは、映画を多くの人に観て楽しんで欲しいという、作家的な理由。権利元が監督やプロデューサー本人の場合は、よくあるケースです。大体、どちらかの理由、あるいはその複合で、権利元は被許諾者に映画のリリースを義務付けています。これを無視すると、たちまち権利元との関係が悪化してしまいます。

 7月2日に『ドキュメント・オブ・ザ・デッド』製作35周年特別版ブルーレイが発売になりますが、この作品、先の理由から、かつて権利元を激怒させたことがあります。その詳しいいきさつは、当ブログの過去記事で詳しく説明しています→こちら

 不景気や社会情勢の変化で、やむを得ず発売できない映画というのもあるでしょう。実際、宮崎勤事件のときは、ホラー映画で発売中止になったものや、契約をキャンセルしたものが多々ありました。ある映画で、劇場公開しなかったために、お互いに罵りあいのファックスが飛び交う現場も見ました(苦笑)。

 映画の権利者とうまく付き合うのは、意外に大変ということで。

★<オリジナル版>ブルーレイと、最新映像を加えて再編集した<最終版>、日本初リリース
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posted by 足ランティー脳 at 08:00| 映像業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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