2011年07月15日

新バイオレンス・アイランド

 『ハウリングU』ほか愚作揃いのP・モーラにしては、至極まっとうな作品。一見アクションのように見えるが、実は男の友情物語。
 ベトナム時代のトラウマで厭世的になって島で暮らす主人公のもとへ、鳥類の写真家と名乗る男がやってくる。実は男は、億万長者に雇われて、島に生息する白頭鷲の卵を取りにやってきたのだ。絶滅寸前の白頭鷲の卵を護っていた主人公は、男の正体に気付かず、しだいに友情が芽生えてゆくが…というストーリー。
 R・ハウアー演じる主人公がエキセントリックすぎて、卵泥棒にきた男のほうに感情移入してしまう。扱いにくい変人をなだめすかす男の姿に涙(笑)。ラストは、男も卵を盗むのを諦めてハッピーエンドとなる。タイトルに偽りありで、ほとんどバイオレンスはありません。

1987年12月3日 テレビ東京「木曜洋画劇場」にて鑑賞
監督 フィリップ・モーラ
ルトガー・ハウアー(樋浦勉)/キャスリーン・ターナー(田島令子)/パワーズ・ブース(屋良有作)/ブライオン・ジェームズ(佐藤正治)/田中真弓

予告編↓
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月14日

死線からの脱出

 『ダイ・ハード2』のレニー・ハーリン監督によるサスペンス。なんと主演はチャック・ノリス先生の息子、マイク。ソ連の国境にさしかかった学生3人が、遊び半分にソ連領内に入ってしまったため、スパイと間違われて収容所送りに。そこにいた元CIAの黒人の囚人に鍛えられ、主人公のみ脱出に成功する、というストーリー。
 『ミッドナイト・エクスプレス』のソ連版のような内容だが、軽薄な行為によって逮捕されるバカ学生には、あまり同情できない。最初の30分で繰り広げられるドンパチが最大の見せ場で、クライマックスがおとなしくて拍子抜けする。スローモーションも多用されているが、効果的でなく、盛り上がらない。中盤に出てくる人間チェスは失笑もの。囚人が自由に行動しすぎるのも腑に落ちない。とってつけたようなオチも、むしろないほうが…
 と散々けなしたが、本作で注目されてハリウッドでステップアップし、『ダイ・ハード2』につながっているので、その意味では本作は存在意義がある。マイクのほうはどっかいっちゃったけど(笑)。

レンタルビデオにて鑑賞
監督 レニー・ハーリン
マイク・ノリス/スティーヴ・ダーハム/デヴィッド・コバーン

映像の抜粋
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月13日

サンダー・ブラスト/地上最強の戦車

 『超高層プロフェッショナル』などで有名な職人監督S・カーヴァーによるアクション。ハイテク武装の戦車をテロ組織に盗まれたため、元CIAが奪還に向かう。
 対テロ用の最新鋭の戦車という設定は面白く、敵のボスがH・シルバというのも絶妙のキャスティングだが、演出と編集にメリハリがないため、月並みなアクションになってしまった。テロに対する実際の性能をみるために、軍部がわざと盗ませていたというオチは良かっただけに残念。ちゃんとした軍人を演じるL・Q・ジョーンズにも注目。

1990年8月5日 テレビ朝日「日曜洋画劇場」にて鑑賞
監督 スティーヴ・カーヴァー
ゲイリー・ビューシイ(樋浦勉)/ヘンリー・シルヴァ(池田勝)/ダーラン・フリューゲル(弥永和子)/L・Q・ジョーンズ(宮内幸平)

映像の抜粋。ビューシイがなんかハマーっぽい↓
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(2) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月12日

サバイバル・ショット/恐怖からの脱出

 『食人族』のデオダートが、アメリカの中堅スターを招いて撮ったホラー・アクション。
 元特殊部隊の男がインディオの村を支配し、麻薬を密売させていた。そこへテレビ局のプロデューサーの息子が迷い込み、特命を受けた主人公の女性リポーターが調査を兼ねて派遣される。しかし凶暴なインディオの集団にパイロットや仲間は惨殺される。彼女は男が支配される帝国で捕らわれの身となるが、地元の軍のヘリが到着。狂った男は、自分の斬首シーンをテレビで流させる。軍とインディオの攻防戦の末、主人公は九死に一生を得るというストーリー。
 『食人族』+『地獄の黙示録』的作品だが、『食人族』よりは演出も丁寧で安心して観ていられるし、編集もまずまず。異様な迫力を画に与えているのが、C・シモネッティの優れたBGM。ラストがあっけなさすぎるのが不満。

レンタルビデオにて鑑賞
監督 ルッジェロ・デオダート
リサ・ブロント/カレン・ブラック/マイケル・ベリーマン/リチャード・ブライト/リチャード・リンチ

予告編↓
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月09日

報復軍団ヴィジランテ・フォース

 『マニアック』『マニアック・コップ』でホラー界の鬼才として活躍し、今はアメリカのビデオメーカーBlue Undergroundの代表となったW・ラスティグによるアクション。
 鉄鋼所に勤める主人公の子供がストリートギャングに殺され、妻も重症となる。事件は裁判にかけられるが、いい加減な判事のせいで、犯人は執行猶予、主人公は法廷侮辱罪で刑務所送りに。出所した彼は謎の自警団へ入り、復讐を行うが…。
 あらすじだけをみると、一応面白そうなバイオレンス・アクションを期待させるが、本編はストーリーが点々ばらばらで、サスペンスもアクションも描写はメチャクチャ。この演出力の欠如は、いったいどうしたことか? 豪華な配役が泣くよ… 
 この後『マニアック・コップ』で起死回生となるわけだが、その後は凡打。ラスティグが監督を引退したのはよく分かる。 

レンタルビデオにて鑑賞
監督 ウィリアム・ラスティグ
ロバート・フォスター/フレッド・ウィリアムソン/ジョー・スピネル/キャロル・リンレー/ウディ・ストロード

予告編↓
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月07日

『ゼブラ軍団』衝撃ラストの意味とは?

 『ゼブラ軍団』発売記念・“衝撃のラスト”シリーズ最終回。トリを飾るのは『ゼブラ軍団』(笑)。発売日前に予約された方は、ひととおり本編をご覧になった頃だと思うので、それを前提とさせていただく。
 先日も当ブログで触れたが、本作の本当に凄いところは、アメリカの社会問題を鋭くえぐった、最後のドンデン返しにある。その社会問題は、アメリカだけでなくヨーロッパも含む白人主導の国々で、いまだ根強くはびこっているものである。
 これから商品を購入してみようという方のために、詳しくは説明しないが、ヒントとしては「農場主は奴隷の言うことは聞かないが、同じ農場主仲間の言うことなら耳を傾ける」。「農場主」「奴隷」を、色や階級に置き換えればなんとなくご理解いただけると思う。
 そしてさらに凄いのは、監督(兼脚本)が観客を驚かすためだけに考え出したラストにもかかわらず、全く期せずして、強烈な社会批判の効果が出てしまった点である。それまでの本編の展開からして、監督が難しいことは何も考えていないことは明らかだ。ブッ飛んだオモシロ映画を作ることにだけ集中していたはずである。だいたい、白人が黒人のマスクをかぶって犯罪を行い、黒人に罪をかぶせるという設定自体が、いろんな意味で配慮に欠けている。しかも監督は白人である。それゆえ、自分が演出したラストが、当時どんな意味を持つか考えが及ぶはずもない。恐らく、今現在でも本人は気付いていないだろう(笑)。監督が意識していなかったぶん押し付けがましさがなく、その結果、より社会問題意識が強烈になってしまったのは、まさに「映画の奇跡」としか言いようがない。
 『ゼブラ軍団』を観て、現在のアメリカのオバマ政権について考えてみると、実に感慨深い気持ちになること間違いなし!

世界初DVD化『ゼブラ軍団』発売中!→allcinema SELECTION

ゼブラ軍団 DVD用予告編↓
posted by 足ランティー脳 at 10:00| Comment(2) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月06日

サスペリアPART2

 『ゼブラ軍団』発売記念・“衝撃のラスト”シリーズ第6弾。
 『サスペリア』の日本での驚異的ヒットにより、売れ残っていたアルジェントの前作が『サスペリアPART2』というタイトルで翌年に公開。ただし中身は『サスペリア』のようなオカルト寄りではなく、それ以前のジャーロ三部作の流れを汲むホラー・サスペンス。魔女も出てきません。
 心霊学会の講演で、テレパシーを持つ女性ゲストが会場に潜んでいた殺人犯の意識を透視したため、「過去の犯行がバレる」とビビった殺人犯が女性ゲストを惨殺。目撃したピアニストが事件に興味を持ち、それがもとで事件を調べようとする人間がイモズル式に出てきて、片端から殺すはめになる(殺人犯側の視点によるストーリー解説)。
 不気味な人形、ビー玉、革手袋、子供の歌、ミイラ化した遺体、目玉のアップなど、全編“トラウマ博覧会”。それらが唐突に挿入され、ゴブリンの優れたBGMも手伝って、混乱した観客に不安と恐怖を植え付ける。何が起こっているか把握しづらい超展開にもかかわらず、何か凄いことが起こっていると思ってしまう演出と構成は、天才としかいいようがない。過去のジャーロ三部作にまだ残っていた論理的展開をかなぐり捨て、見せたいものだけ見せるという徹底ぶり。アルジェントが一皮むけたのは本作からで、続く『サスペリア』が世界的ヒットにつながるのもうなずける。
 “衝撃のラスト”は、真犯人の最後の死にっぷり。いやあ、ネックレスなんてするもんじゃないね。テレビでの放送では、その場面からゴブリンのテーマ曲がかかって余韻が残る。後にレンタルVHSで観たときは、エレベーターが下りきってからBGM。印象に残るのは絶対にTV版のほうだが、この豪華キャストの吹き替えは、これまで発売されたDVDには収録されていない。

1980年10月6日 TBS「月曜ロードショー」にて鑑賞
監督 ダリオ・アルジェント
デヴィッド・ヘミングス(仲村秀生)/ダリア・ニコロディ(北浜晴子)/ガブリエル・ラヴィア(高山栄)/クララ・カラマーイ(高村章子)/グラウコ・マウリ(麦人)

予告編↓
posted by 足ランティー脳 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月03日

シャドー

 『ゼブラ軍団』発売記念・“衝撃のラスト”シリーズ第3弾。
 『サスペリア』『インフェルノ』とオカルトが続いたダリオ・アルジェント作品が、ジャーロに戻った1本。ノリは『サスペリア2』と同じくホラー・サスペンス。ニューヨーク在住の人気作家が、新作のキャンペーンで訪れたローマで連続殺人に巻き込まれるというストーリー。
 『サスペリア2』にあった、犯人の異常性を示唆する不気味な描写(断末魔の粘土人形や、マチ針、目の周りを黒く塗るシーンのアップなど)は、本作にはほとんど見られない。唯一、赤い靴の女性に辱められる場面と、その女性を刺し殺す場面は、犯人のトラウマを表現しているが、昼間の明るいシーンなので不気味さは出ていない。殺しのシーンも主人公の婚約者が腕チョンパされるクライマックスまでは血糊も少なく、最初から全力投球だった『サスペリア2』に比べると、かなり大人しい。ところが、登場人物が一人を除いて全員死んでしまうという超大量殺戮映画という点では、『サスペリア2』に勝る。
 “衝撃のラスト”は、自殺したと思った犯人のトリックに気付いた警部が現場に戻ったシーン。警部の耳がでかくなっていると思ったら、腰をかがめた瞬間、背後に重なって犯人が立っていたという、稲川順二もビックリの衝撃。劇場で観たときは、このシーンで「ヒッ」という女性の声が複数響いていた。タイミングも抜群で、何度観ても戦慄する。
 日本の劇場版では、エンドタイトルでキム・ワイルドの『テイク・ミー・ホーム・トゥナイト』が流れていた。ヘラルドが当時よくやっていた、レコード会社とのタイアップだったが、歌詞も含めて本作に妙にマッチしていた。

深夜放送にて鑑賞
監督 ダリオ・アルジェント
アンソニー・フランシオサ(阪脩)/ダリア・ニコロディ(小宮和枝)/ジョン・サクソン(千田光男)/ジュリアーノ・ジェンマ(江原正士)

日本版劇場予告。ナレは津嘉山正種、キム・ワイルドの曲↓
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(2) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月02日

新・13日の金曜日

 『ゼブラ軍団』発売記念・“衝撃のラスト”シリーズ第2弾。
 しつこく続くシリーズ第5作だが、新展開を見せているのがポイント。精神病治療キャンプで、薪割りをしていた男が、精神に異常をきたしえ一人の患者を殺してしまう。それをきっかけに、ホッケーマスクの大男が登場、キャンプの人々を次々と殺してゆく、というストーリー。
 前作でジェイソンをマチェーテで殺した少年トミーが、大人になって登場しているので、彼のトラウマが爆発して第2のジェイソン化したような描き方をしている。観ている側も、(この知恵なしシリーズのことだから)当然そうだろうと考える。
 ところが、真犯人は警察の検視官という衝撃。実は最初に殺された患者は彼の隠し子で、その復讐のため精神病治療キャンプの面々を殺していた、というオチ。そういった意味では、第一作目のリメイクともいえ、ジェイソン頼りになっていない点は感心できる。
 ただ、演出も構成も下手で、ラストも盛り上がらず、いつものシリーズとかわり映えのしない作品になってしまった。しかも、最後はジェイソンの死体が復活(ゾンビ化?)をにおわせて終わっていて唖然。

1988年8月14日 テレビ朝日「日曜洋画劇場」にて鑑賞
監督 ダニー・スタインマン
メラニー・キンナマン(土井美加)/ジョン・シェパード(塩沢兼人)/シェイバー・ロス(堀絢子)

予告編↓
posted by 足ランティー脳 at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月01日

13日の金曜日

 『ゼブラ軍団』発売記念・“衝撃のラスト”シリーズ第1弾。
 スラッシャー・ムービーの古典にして現在も続くフランチャイズ。事故で閉鎖されたクリスタルレイクのキャンプ場を再会させようとする青年団たちが、謎の殺人鬼に次々と殺される。あまりにも有名な作品なので、それ以上の説明は必要ないよね。
 ストーリーは一本調子、間延びしたサスペンス、思わせぶりなだけの登場人物など、つまらないホラーの定石をこれでもかと忠実に守っているにもかかわらず、トム・サビーニによる傑出した特殊メイクによる殺人シーンのおかげで、何回も観たくなる。特に、最後のクビチョンパは、首が落ちた後にニギニギする手が強烈な印象で、『悪魔のはらわた』のハサミで首チョンパに匹敵するショック・シーン。これだけでもかなり衝撃的だが、ピークはラスト。湖のボートで目をさました主人公を、水から飛び出たジェイソンが襲うシーン。夢オチながら絶妙のタイミングで、これまた椅子から飛び上がりそうになる。作品の出来はともかく、アトラクション・ムービーとしてはかなり良い。
 吹き替えは、当時のアニメ・ブームを盛り込んだかのような配役。もちろん、全員洋画の吹き替えも十分こなすことのできる実力派ばかりだが。
 一応、実話をもとにしたという触れ込みだったが、その実話というのは「13日の金曜日は不吉」という迷信がアメリカで信じられていますよ、という「実話」だったようだ(笑)。

1985年3月15日 テレビ朝日「日曜洋画劇場」にて鑑賞
監督 ショーン・S・カニンガム
ベッツィ・パルマー(来宮良子)/エイドリアン・キング(小山茉美)/ハリー・クロスビー(曽我部和恭)/マーク・ネルソン(古川登志夫)/ケヴィン・ベーコン(村山明)/ピーター・ブローワー(富山敬)/千葉耕市、鵜飼るみ子、横沢啓子、藤本譲、高島雅羅

問題のシーン↓
posted by 足ランティー脳 at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。